猫も杓子もIoTの昨今、住宅設備や家電もインターネットに接続するものが増えてきました。それに伴ってインストールを余儀なくされるスマホアプリたち。便利なものもそうでないものもありますが、今回の引越しで増殖した・あらためて使うことになったスマホアプリを感想含めて紹介してみます。
白物家電
洗濯機
これまでは独身時代に購入した日立の縦型洗濯機(乾燥機能付き)を8年ほど使っていたのですが、引っ越しを機にドラム式洗濯機に買い替えました。フィルタの掃除が面倒というのは痛感していたので、フィルタの自動掃除機能がついたものから選びました。
「モーターものは日立が良い」というちょっと迷信じみた言説が実家では信じられており、自宅の場合も前回に引き続きそれが踏襲されることになりました。
スマホアプリはこちら。
洗濯機本体ではボタンや画面の制約からきめ細やかな設定がしづらいですが、スマホの画面を利用することでいろいろなことを簡単にできるようになる、というのが主な利点です。例えば、
- 洗剤の自動投入は、銘柄を入力すると銘柄に沿った投入量になる
- 洗濯結果にフィードバック(採点?)をすることで、次回以降自分好みの内容にカスタマイズできる
- 洗濯が終わったタイミングでスマホに通知がくる
などなど…。特に洗剤の自動投入に関しては、自動投入洗濯機向けの洗剤を発売しているメーカーもあり、それにあわせて投入量を調整してくれるのは助かります。投入量を数値で入力するのではなく、銘柄を選択するだけで良いというのも簡単です。
「何が自動投入専用なの?」といえば、シンプルに洗剤が濃縮されています。タンクに貯めておける量が同じ場合、一度に使う量が少なければ(=濃ければ)交換する回数が減って楽になる…という寸法です。別に自動投入専用にしなくても良いといえば良いのでしょうが、手動の場合、目盛りが細かくなっても使いづらい…というのもあるかもしれません。
アプリに関しては残念な点もいくつかあります。
- 洗濯機の電源が切れていると何もできない:洗濯機のON/OFFは機械的に電源が切れるようで、電源が切れてしまうとネットワーク上から見えなくなってしまいます。現在の状態も知ることができません。法規的な制約なのかもしれませんが、他の家電と比べると見劣りします。洗濯が終わると電源が切れるというお作法も踏襲しているようで(設定変えられるのかもしれませんが)、「洗濯終わったよ!」という通知が毎回辞世の句となってその後沈黙してしまいます。
- アプリの立ち上がりが遅すぎる:立ち上がるのに10秒くらいかかることがあります(iPhone 11 proで)。そのときも、単色背景に「ただ今起動中 しばらくお待ちください」と画面中央に小さく表示されるのみ。起動時にさまざまな情報を読み込んでるのかもしれませんが、それにしても…。
アプリに関しては全体的にもう少し洗練されていても良いのでは?という印象です。機能はよいです。
ホットクック
これは以前の家の時から導入していました。2.4リットルタイプ。二年前くらいだったでしょうか?(以下のリンクは最近のモデルです)
ほんとに便利です。単体で時短になるかというとそこまででもないのですが、火を気にせずに放っておけるというのがここまで楽なのかと驚きます。そして、放っておいてるのに美味しい。皆さんにオススメします。
スマホアプリはこちら。
エアコンなど含むSHARP製品全般の制御をするアプリです。以前はCOCORO Kitchenというヘルシオファミリー専用アプリだったのですが、統合されたようです。
統合されてからは正直、ほとんど使っていません。大抵は本体の画面操作で何とかなってしまうからです。本などに載っているレシピも、基本メニューを選択して調理をすることが多いため、スマホ経由でメニューをダウンロードする必要に駆られていません。
アプリ統合後、COCORO HOMEアプリへの機種登録に躓いてしまい、そのまま放ったらかしになっています。…というわけで、あまり感想も書けず。
エアコン
我が家は1階は全館空調ですが、2階は個別空調です。過去三度の引っ越しを経験して室外機から異音が出始めていたため、エアコンは新調しました。HEMSとの連携を考えるとPanasonic?とも思ったのですが、セキスイハイムの売値は同等仕様でダイキンの方が安いとのことで、ダイキンの22年モデルを取り付けることになりました。
住宅設備店取扱商品のFX seriesです。家電量販店取扱商品のF seriesとの差異は分かりません。大人の事情でしょうか?機能的には別にもう一つランクの低いCX Seriesでも良かったのですが、こちらは無線LANアダプタが別売りで、それを追加するとそこまで値段が変わらなかったのでFX Seriesにしました。
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サーバを経由しての制御となるので少しタイムラグはあるものの、エアコンのリモート操作としては必要十分な機能を備えていると思います。
スマートホーム的な視点で良いなと思うのは、エアコンの電源がOFFであっても室温や湿度、そして室外気温をモニタリングしていてスマホアプリで確認できるという点です。それだけだとそこまで嬉しくないのですが、Google Homeと連携しておけば「OK Google, 寝室の温度は?」と聞けばその値を答えてくれます。エアコンの室温・湿度をエアコンを設置した部屋の室温や湿度として扱ってくれます。
掃除機
共働き三種の神器の一つであるルンバに加えて、水拭きをしてくれるブラーバもあわせて家に迎えることにしました。
以前、ジェネリックルンバことAnker Eufy RoboVac L70 Hybridを使っていたのですが、何年か経ってバッテリーがダメになったときにバッテリー交換ができないことがわかり、次は本家を買おうを思ったのでした。
ルンバとブラーバは、昨秋のセール時に以下の機種を購入しました。j7とm6です。
スマホアプリは全体的に洗練されている印象です。西海岸らしさ抜群です。ルンバとブラーバの操作は、同じ一つのアプリの中でタブを切り替えて行います。
ルンバとブラーバは連携して動きます。ルンバが掃除した後にブラーバが拭き掃除をしてくれるというものなのですが、ルンバとブラーバでマップは共有してくれません。ですので、部屋の名称や進入禁止の設定などはそれぞれで行う必要がありますし、ルンバが発見した「この辺りにはラグがある」といった情報も共有されません。
ルンバはそこまで消耗品はないのですが、ブラーバは床用洗剤やパッドなどの消耗品がそれなりにあります。
商売根性逞しい会社であればスマホアプリから購入できるようにすると思うのですが、単にiRobotの公式ページへのリンクがあるのみで、このアプリは全くお金の匂いを感じさせません(ローラーなどの消耗具合は確認できますが)。これは良いのか悪いのか…。
エコキュート
セキスイハイムの場合、デフォルトは積水ホームテクノ製のエコキュートのようなのですが、外出先から風呂のお湯張りがしたかったため、Panasonic製のエコキュートに差額を払って変更してもらいました。「Panaにして」といったらNSシリーズを紹介されたのですが、仕様一覧を睨めっこして最終的にJシリーズにしました。詳細はこちらの記事にて。
スマホアプリはこちら。
スマホからお湯張りができるだけで十分だったのですが、以下のような機能もあってなかなか便利です。
- 旅行中など、沸き上げを一時的に中止する設定ができる。旅行中にも設定できるので、家を出た後に気づいても大丈夫。
- 使用湯量やエコナビ・ぬくもりチャージによる節約量などをモニターすることができる。「昨日は洗面器一杯分の湯沸かし分を節約したよ」といった表示は節約効果がわかりやすいです。
- 翌日の天気に応じてどの時間帯におひさまソーラーチャージが行われるか(行われないか)分かります。ただこれはスマートハイムナビを導入していればAIソーラーチャージがやってくれるので不要です。
見た目もそこそこクリーンで、印象はそこそこ良いです。ちょいちょい読み込みが走るのが玉に瑕ですが…。
黒物家電
AVアンプ
リビングには、5.1.2chのDolby Atmos対応のスピーカーを導入していて、それをドライブするためのAVアンプがあります。
5.1.2ch対応としては安価な部類に入るYAMAHA RX-V6Aです。
この世代からYAMAHAのアンプのデザインが変わったようで、ど真ん中にどでかいボリュームつまみがあり、少し丸みを帯びた形になっています。
高価な機種になると画像付きでさまざまな設定を画面に表示してくれるのですが、こちらの機種はどちらかというと文字中心のシンプルなものです。それを補うのが二つのスマホアプリです。
AV SETUP GUIDEは、質問に入力していくと、それに従った設定手順を教えてくれます。そして最後にアンプ側にその設定内容を反映させることもできるので、電子化された取扱説明書の一歩上をいくアプリになっています。
MusicCast Controllerは、さまざまなオーディオソースを切り替えたり、オーディオの設定を変更したりすることができます。自分の場合、音声設定を切り替えたい時などに使っています。アンプについてくるリモコンは赤外線なので向きを気にする必要がありますが、アプリを使えばそれが不要なのが良いです。
液晶テレビ・Blu-rayレコーダー
新居では壁掛けテレビとフローティングのテレビボードにする、と決めていたため、テレビを新調しました。ここのところSONY製品を使い続けている(これまでは2012年製のBRAVIA)のと、Androidを搭載していれば後で色々遊べそうなので、Google TVを搭載しているBRAVIAにしました。機種はMini LEDを搭載しているX95Kです。
Blu-rayレコーダーも惰性でSONY製です。以前使っていたものはディスクの故障かなにかで退役していました。
ちなみに、テレビボードは最初はPamounaのMARGINシリーズがイメージと近かったのですが、ハイムでは(販社では?)不可との回答でした。そこでそれに近い柄があるアイカ工業のスマートシューノ 吊りタイプ(サイドパネル・天板共にTJ-10237K)にしました。実際に設置してみたら、まぁこれはこれで良かったかなという感じです。
スマホアプリはこちらです。
番組表とリモコンと録画予約・再生が一つになっていて、番組表からの録画予約や、録画リストからの再生(屋外でもみられる)、SONY製品を使っている人の予約状況などを用いたランキングやおすすめの提示などの機能があります。
以前はかなりバグがあった(頻繁に落ちた)ように記憶していますが、最近では安定していて使い勝手も悪くないです。
アイコンやアプリ内のアクセントカラーが赤なのですが、ソニーなのに何でこの色なのでしょう…?もう慣れてしまったので違和感は特にないのですが。
その他
HEMS
スマートハイムナビの中身はPanasonicのAiSEG2です。ですので、Panasonicのアプリを利用することができます。
電気使用量の推移を、全ての回路を時系列で一覧でグラフにしてくれるのが便利です。
この画面を見ていて、快適エアリーの他にすんごい電気使ってる機械がある…と気づいて調べてみたら、加湿器だと判明したことがありました。それ以降、加湿器はエコモードで稼働させるようにしています。5%ほど安定する湿度に違いがありますが、ひと月で数千円電気代に差がある(ということもわかる)と考えると背に腹は変えられません…。こんな気づきが得られるのもHEMSの良いところなのかもしれません。スマートメーターで一括りになった電気量を見ても、何がいけなかったのかはわかりづらいですからね。
アプリのデザインはなんとなく一周り古い感じがしますが(同じPanasonicでも、スマホでおふろの方は普通)、アクティブな利用者もそこまで多くないような気がしますし、そこまで力を入れていないのかもしれません。
スマートリモコン
以前から使っているNature Remo(私が使っているのは初代)です。
エアコンがWi-Fiで繋がるようになり、TVはそれ自体がスマートスピーカーのようなものなので、Nature Remoを使わなければいけない対象は減りました。現在は吹き抜け部分の電動ブラインドのみ制御しています。
Nature remoではリモコンの赤外線登録を行い、日々のルーティンをGoogle Home側で設定しています。
Nature remoでも時刻を設定して自動実行するオートメーション機能はあるのですが、Google Homeでは日の出・日の入りを基準にした相対的な時刻を指定することができます。これを利用して、日の出の1時間後にブラインドを上げ、日の入りの1時間前にブラインドを下ろす、という作業を自動化しています。特に時刻指定でも困らないのですが、何となく…。
ちなみにブラインドは(吹き抜けのため)少しでも断熱効果を期待してニチベイのハニカムスクリーン レフィーナ25にしました。本当はプリーツ幅の大きなレフィーナ45が良かったのですが、2700mm幅を電動にするとレフィーナ25しか対応していないらしく。1階部分のみレフィーナ45(手動)にしました。
ドアホン
セキスイハイムではPanasonicのドアホンの中から選ぶことができますが、我が家では出先でもドアホンをとれて、玄関の電子錠も操作できるモデル(Cタイプ)にしました。
スマホアプリはこちらです。
ドアホンが押されたときにはスマホ側にも連絡が行きますし、そこでたとえ出なかったとしてもその後に録画データをスマホ越しに見ることができるので、結構便利です。
こちらのアプリも画面デザインがひとまわり古い印象がありますが、まぁ、使えるのでよしとします…。
IoT化しなかった家電たち
電子レンジ
PanasonicのBistroを購入しました。
これまでは11年前に購入したヘルシオを利用していたのですが、「大は小を兼ねる」で大きめのものを買ってしまって加熱に少し時間がかかっていたことと、温めムラが気になっていたこともあり、64眼スピードセンサーが売りのこの機種にしました(今ではヘルシオも良くなっているとは思います)。
最上位機種はIoT対応が謳われてスマホとも繋がるのですが、そこまで使わないだろう、とのことで見送りました。
我が家で購入したNE-BS9Aは性能的には全く問題なく、グリル機能もなかなかです。UIもシンプルで良いのですが、調理メニューを番号で選ぶ際にその番号が何に対応しているかは一部(全部で54あるメニューのうち17)を除き取り扱い説明書をみないとわからない、というのが不便です。昔のヘルシオは本体に全ての番号とメニューの対応が記載されていたのですが…。
照明
照明は、もともとPanasonicのアドバンスシリーズを導入予定でしたが、かわりにリビングライコンを導入しました。このあたりの顛末はこちらの記事をどうぞ。
ただ照明を施主支給にしたスペースの一つに、以前使っていたアイリスオーヤマのWi-Fi LED電球が使われています。調光できるためそこそこ便利です。
スマホアプリはこちら。
設定した後はGoogle Homeアプリか「OK Google…」経由で操作しているため、アプリケーションを開いたのは初期設定の時のみです。ま、そういうこともあるよね…。
まとめ
というわけで、今使っているアプリをまとめてみると、以下の通りです(太字が新規インストール)。
- 洗濯コンシェルジュ(日立)
- COCORO HOME(SHARP)
- Daikin Smart APP(ダイキン)
- iRobot Home(iRobot)
- スマホでおふろ(Panasonic)
- AV SETUP GUIDE(YAMAHA)
- MusicCast Controller(YAMAHA)
- Video & TV SideView: Remote(SONY)
- スマートHEMSサービス(Panasonic)
- Nature Remo(Nature)
- Google Home(Google)
- ドアホンコネクト(Panasonic)
- IRIS SmartLF(アイリスオーヤマ)
というわけで、自宅の家電周りで13個のアプリをインストールしていることになりました。
これらのIoT機器ってほとんどWi-Fiで接続しているので、Wi-FiのSSIDやパスワードを変更した時とか正直地獄ですよね(今回は新居だったのでまぁ当たり前と思ってやりましたが…)。WPSにルータ・IoT機器の双方が対応していたとしても、WPSモードにするやり方が機器によって違うし、そんな時には取り扱い説明書なんて手元にないわけで。
どなたか、ネットワークに接続させるステップを統一してくれませんかね…?
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