セキスイハイムの全館空調である快適エアリーは、3つあるゾーンそれぞれに個別の風量や温度を設定することができます。
ECHONET Liteではエアコンの搭載プロパティにゾーンのような考え方は採り入れられていないため普通では情報を取得できないのですが、なんとか取得できないか試行錯誤してみました。
ニチコンの蓄電池を解析した記事はこちら:
スマホアプリの通信内容を覗く
快適エアリーには、(正直使い勝手が良いとは言えませんが)公式のスマホアプリが存在します。
iOS版はこちらです。
LAN内からであれば快適エアリーに対してコマンドを送ることができるので、コマンド内容を覗き見してみることにします。
iPhoneの通信をWiresharkで見る
以下の記事を参考に、MacとiPhoneを接続して通信をキャプチャします。
そして、快適エアリーが生のECHONET Liteなコマンドを流していることをうっすら期待して、WiresharkにECHONET Liteのプラグインをインストールします。
果たしてどうなるか…。
ゾーン2をOFFにして送信してみます。
お、ECHONET Liteのパケットが流れてますね!そして、赤く囲んだところにご注目。
ONにしてみます。
30だったところが31に変わっています。
ECHONET Liteのステータスでよくある形で、0x30がOFF、0x31がONというものを踏襲しているようです。
そして、次の1cは10進数に直すと28なので、ゾーン2の設定温度を表しているようです。
解析結果
こんな感じでやっていくと、がっつり見たわけではないですが以下のような感じのようです。
EPC: 0xF1 ゾーンごとの運転状態
{ゾーン1運転状態 0x30/0x31 (off/on)} {ゾーン1設定温度} {ゾーン1風量 0x31/0x32/0x41(弱/強/自動)} {?} {?} {?} {おすすめタイマー状態 0x30/0x31 (off/on)}
これが、ゾーン2、ゾーン3と続く。
EPC: 0xFA ゾーンごとの室温
{ゾーン1室温} {ゾーン2室温} {ゾーン3室温} {?} {?} {外気温} {?}
他にもいろいろありそうですが、取り急ぎこんなところで。
この情報を何に使うか?
Home Assistantにこの情報を読み込んで、ゾーンごとの室温を表示したり、ゾーンごとの設定温度変更などをできるようにしています。室温が高くなったら風量や設定温度を自動変更するなど、オートメーションもできます。
まとめ
快適エアリーがECHONET LiteでiPhoneとおしゃべりする内容を解析し、ゾーンごとの設定温度や室温、風量などが分かるようになりました。読み出すだけではなく設定もできるため、オートメーションにも活用できそうです。
蛇足
Home AssistantとECHONET Lite機器を連携する際、私はECHONETLite2MQTTを使わせてもらっているのですが、MRAをカスタマイズすることでコーディング0で上記の情報を読み込ませることができます。
MRA_customというディレクトリに以下のファイルを放り込むと、上記の内容がECHONETLite2MQTTでも読み込めるはずです(無保証です)
コメント