巷の注文住宅ブログでも「つけてよかった」という声が多い玄関のリモコンキー(電気錠)ですが、我が家でもせっかくなので導入しました。実際に体験して初めてわかったことも多いので、その特徴や他の機器と連携してできることなどをご紹介します。
セキスイハイムのリモコンキーはYKK AP製
2022年末現在、セキスイハイムでリモコンキーを導入した場合、メーカーはYKK AP製になります。
こちらのページにもリモコンキーの写真が載っていますが、燦然と輝くYKK APロゴが見つかります。
YKK APのWebサイトはこちらになります。
商品名は「スマートコントロールキー」というようですね。自宅で導入したものは3つのラインナップのうち「ポケットキー」タイプになります。
YKK AP版と異なるところ
上記の通り、基本はYKK APのスマートコントロールキーなのですが、セキスイハイム版では以下の制限や差異があるようです。
ハンドルの形
ハンドル部分の色はシルバー・ブラックの2種類あるようですが(昔はゴールドもあったらしい)、セキスイハイムでも両方使われています。ハンドル色を指定するのではなく、玄関扉を選ぶと自動でそれにあった色が決まるようでした。
一方で、YKK AP版だと洋風カーブハンドルを選択できるようですが、セキスイハイムの仕様検討中には話題にのぼりませんでした。もしかしたら営業に聞いたら採用できたのかもしれませんが、少なくとも積極的に推してはいないようです。
タグキーとカードキー
現在YKK APのポケットキーでは、リモコンキー x 2とタグキー x 3が標準でついてくるようですが、我が家が引き渡し時に受け取ったのは、リモコンキー x 2とカードキー x 3でした。
タグキーとカードキーの違いは、
- 形状
- タグキーはキーリングなどに取り付けられる
- カードキーはパスケースなどに入れられる
- 非常キーの有無
- タグキーには非常用のディンプルキーが付属しており、停電時などに手動で解錠できる
- カードキーにはそのような機能はなし
でしょうか。
後者をみると単純にタグキーの方が機能アップに見えますが、ディンプルキーが付属するのは良し悪しある気がします。たとえば子供に鍵を持たせるようなケースでは、たとえ無くしてしまっても簡単に情報を抹消できるカードキーの方が安心かもしれません(後述)。YKK APでもそのようなニーズがあることは把握していて、リモコンキーやタグキーにはディンプルキーなしにするオプションがあります。
ちなみに、ディンプルキー付きのタグキー羨ましいなぁという方は、YKK APのウェブサイトで購入することができます。23年3月現在、税込10,560円とのこと。ディンプルキーを作成するため、多少時間がかかるようです。
操作盤
YKK APのカタログにはYS KAG-B3という操作盤が載っています。
ただ、自宅に実際に設置された操作盤は少々見た目が異なりました。
YS KAG-B3との大きな違いは、
- 施錠・解錠のボタンが横並びになっている
- インターフェースユニットも横並びではなく、縦並び
- YKK APのロゴが入っていない
ことでしょうか。ここには特に思い入れはなく、サイズや機能面にも差がなさそうなので、まぁいっかという感じです。
他の機器との連携
電気錠単体でも便利なのですが、他の機器と連携するとさらに便利になります。
ドアホン
YKK APのカタログに載っている「ドアホン連動」ですが、セキスイハイムでも採用可能です。確かCタイプのドアホン(2022年末現在、VL-SWH705KL)を選択することでできるようになった…気もします。
使ってみると、結構便利です。
ドアホンで解錠・施錠ができる
リビングなどでドアホン応対し、相手を確認してその場で解錠操作ができます。
来客の場合にはたいがい玄関まで出迎えるのであまり必要ないかもしれませんが、例えば鍵を持たせていない子供が帰ってきた時にドアホンで本人確認したあと解錠する…なんてケースはあるかもしれません。
案外便利だと思ったのは、施錠操作です。玄関ドアが解錠状態だとドアホンのランプが赤く光ります。
この状態で「戸締り確認」部分にタッチすると、その場で施錠操作ができます。就寝前などにわざわざ玄関にまで行かなくても戸締りを確認できるのは安心ですし、その場で施錠できるのも便利です。
ドアホンと連携したスマホで解錠・施錠ができる
Cタイプのドアホンはインターネット越しにスマホでドアホンを受け取れる機能があるのですが、解錠・施錠もスマホで行うことができます。
セキュリティ上の制限で基本的には施錠のみ可能になっていますが、設定を変更するとドアホンが鳴ってスマホで対応している時のみ解錠することもできるようになります。家から締め出されてしまった時に、自分でドアホンを押して解錠する…なんてこともできそうですが、ネット越しに解錠できてしまうということをどこまでリスクと捉えるか、ということを考えた上で導入するかどうかを考える必要がありそうです。
スマートフォン
セキスイハイムのカタログには載っていなかったので全く期待していなかったのですが、21年10月以降に出荷されたYKK APの電気錠(下部錠の刻印がEC-Y7)はスマホからの解錠・施錠に対応しているようで、我が家のものも対応していました。
アプリは、YKK APの専用のものを使用します。
なのですが、App Storeをみると少なくともiOS版の評価は散々のようです…。
初期設定(管理用スマートフォンの初期登録)は扉の金属プレートを外す必要があるので面倒なのですが、それもセキュリティを考慮してのこと。知らぬ間に見知らぬ人がスマートフォンを登録していた、ということがないように手順が設計されているので仕方ない…と納得していたのですが、それがソフトウェアアップデートするごとに実施しなければならないとなるとかなり面倒です。
いやはや、iPhoneのBluetoothを使って何かやるというのは未だに鬼門なのでしょうか…。
初期設定を行う時間がとれたら試してみることにします。
電気錠に関するよくある疑問
ここでは、引き渡し前に私が疑問に思っていて実際に住んでみて分かったことや、使ってみて初めて気づいたことなどをご紹介します。
玄関ホールに操作盤を設置することに意味はある?
自宅の場合、操作盤が玄関ホールに設置されています(特に場所をリクエストしていませんでした)。引き渡し直後は「これってすぐそばの玄関扉のサムターンを手で回せば解錠できるのであまり意味がなかったのでは…?」とひそかに感じていました。
ただ実際に生活してみると、玄関土間に下りなくていい位置に操作盤があるというのがポイントだと気づきました。鍵を開け閉めする時にサンダルや靴を履く必要がないんです。結構便利です。逆に外から帰ってきた時も、靴を脱ぐと同時に施錠ができます。
- 靴を履く必要がない位置に設置すること
- 帰宅時の動線上にあること
が重要な気がします。
操作盤に加えてドアホンとも連携する場合は、リビングではドアホンを使って施錠・解錠するでしょうから、操作盤は玄関ホールに設置しても良いのではないかと思います。ドアホンと連携しない場合にはリビングなどよく使う場所に操作盤を置くのが良いかもしれません。
ドアホンと連携しなくても、増設用の操作盤をリビングに設置する、という方法もあります。
ホテルのオートロックみたいに油断してると閉め出されちゃうことはある?
可能性はあります。ただし、初期状態では「自動施錠なし」に設定されています。
自動施錠は、リモコンキー・タグキーやスマートフォンを使って解錠した場合、ドアを開いて室内に入ったら(再びドアが閉まったら)、25秒ないし50秒後に自動的に施錠する機能です。
この説明から分かる通り、この機能は帰宅時に作動することが想定されています。ただ、ドアを開けたあとにもう一回外に出るケースは普通に存在します。例えば、
- 車に積んである大量の荷物を搬入するために何度か往復する
- ドアを開けたものの、郵便受けに封筒があることに気づき、再びドアを閉める
などです。この時に万が一鍵を室内に置いたまま出てしまうと、閉め出し状態の完成です。
中から外に出る時にリモコンキーを使って解錠することはほぼないでしょうし、たとえリモコンキーを使って解錠したとしても「当然手にリモコンキーを持っている」わけで、ホテルのオートロックなどと比べたら発生頻度は低いはずです。鍵から手を離すというのは、外から中に入る時の方が可能性は高いですし。
特に玄関室内側に操作盤がある場合には自動施錠は不要かもしれません。
カードキーを無くしてしまったら何が起こる?
普通の鍵を無くしてしまった場合には、シリンダー交換など結構大ごとになりますが、カードキーを紛失した場合にどうなるかというと、紛失したカードキーだけ無効にすれば完了です。カードキー自体も比較的安価なので、ダメージは普通の鍵よりも小さいと言えます。
無効にすると書いたものの、残ったカードキーを全て登録し直すという表現の方がより正確です。金属プレートを外して中のボタンを押して登録作業を行うことになります。
前述の通り、これがディンプルキー付きのタグキーだとそうはいきません。無くした時のことを考えるか、電池切れや停電の時のことを優先して考えるか、なかなか難しい問題です。
勝手にスマホやカードキーを登録される可能性はある?
登録できる人は限られますが、可能性としてはあります。
この電気錠の設定作業は、
- 扉が開いている状態で(既に解錠されていて)
- 金属パネルをドライバーで外した状態で
実施する必要があります。
ですので、そもそも鍵を持っていない赤の他人がスマホ登録やカードキー登録をすることはできません。
ただし、
- 工事業者
- (賃貸の場合)大家さんや管理会社
- 以前の同居人(元彼・元カノなども含みます)
あたりの、一時的にでも扉を開けられる状態にあった人はスマホやカードキーを登録することができてしまいます。
そのため、心配な場合には前項で紹介した「残ったカードキー・リモコンキーの登録し直し」を行っておくと安心です(スマホも同じような手続きがあります)。スマホキーやカードキーの登録はディンプルキーの複製よりも敷居が低いので、用心するに越したことはないと思います。
施錠・解錠時の音はどんな感じ?
YKK APの説明ページにある動画中でどのような音か聞くことができます。
動画では全て解錠シーンなのですが、同じ効果音が2回繰り返されているのがわかると思います。施錠時は繰り返しなしの1回となります。変に音程が変わったりせずにシンプルで良いのではないかと思います。
なお、音量は大・小の2通り選択ができます。デフォルトは大とのことなので、近所迷惑かも…と思ったら音量を下げられます。効果音自体を切ることもできるようです。
まとめ
玄関扉のリモコンキーについて、わかったことをまとめてみました。
セキュリティに関しては色々と考えられているため、比較的安心して導入できるのではないかと思います。操作盤の導入やドアホンとの連携によって離れた場所から施錠できたり、現在の解錠・施錠状態が分かるのも有り難いです。
個人的には、ドアホンとの連携がおすすめです。ご参考になれば幸いです。
コメント