注文住宅でカジュアルにホームシアターを導入したい

注文住宅

せっかくの注文住宅なのでホームシアターを導入するんだ!と意気込んでいる施主の方もそれなりにいるのではないかと思います。本格派の方は専門のインストーラーにお願いするのだと思いますが、この記事では施主がハウスメーカーに施工をオーダーするカジュアルなやり方をご紹介します。

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ミドルレベルオーディオファンの悩み

オーディオ界隈は奥が深くで、こだわろうと思えばいくらでもこだわることができます。オーディオのためならお金に糸目をつけない…という方もいるかとは思いますが、本記事では、新居でオーディオにこだわりたいものの、とはいえインストーラーにお願いするほどでも(or 家族の許可が降りない)…という方を対象にします。

自分自身もだいたい当てはまるのですが、以下のようなレベルの方(ミドルレベル?)ってそこそこいる気がするんです。

  • わざわざ特製のシアタールームを新調するほどではないので、せめてリビングシアターかな
  • サウンドバーでサラウンドを実現するのは物足りないので、各位置にスピーカーを配置したい
  • 今後金銭的に・時間的に余裕が出てきたらアンプやスピーカーをステップアップしていきたい
  • 現在のサラウンド環境はケーブルがごちゃっとしていて家族に閉口されていて肩身が狭いので、新居ではなんとかしたい

その一方で、ハウスメーカーで提案できるパッケージといえば、オーディオメーカーとタイアップした天井埋め込みスピーカー+AVアンプのセット商品くらいしかありません。施主ブログなどを拝見していると、ONKYOの製品を提案されたといった記事を見かけます。天井にスピーカーが収まってスッキリしますし、部屋全体が音で包まれる体験はなかなか満足度が高いのですが、たとえ新調しないにせよ「特製のシアタールーム」なんて単語が出てくるような人には少々物足りない気がします。

そこで、この記事では「施主が要件をまとめてハウスメーカーに施工をお願いする」方法を考えます。

「インストーラーにお願いするほど大した物にするつもりはない or お金がない or パートナーに説明がつかない」など理由は様々と思いますが、部屋の形状や音響特性にあった商品や対策を提案してくれるなど、インストーラーの方にお願いする利点は当然ありますので、満足いく結果になるようご判断は慎重に。

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ハウスメーカーにお願いする作業

施主だけではできないことを最低限お願いすることにします。

  • AVアンプからスピーカーやテレビ(プロジェクター)までの配線(壁内配線)
  • 天井吊り下げ・埋め込みスピーカーの設置
  • プロジェクターの場合はプロジェクター・スクリーンの設置

は、綺麗な収まりを実現する上で重要です。

逆にいうと、これ以外は基本的に施主が対応することになります。具体的には

  • AVアンプ・テレビ・スピーカーの位置決め(≒ケーブル引き出し位置の指定)
  • ケーブル類・スピーカー類の調達
  • 吊り下げ・埋め込みスピーカー取り付け金具の調達

などです。以降、具体的に説明していきます。

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ハウスメーカーに伝える必要がある情報

ここでは、各項目ごとに、どのような情報をハウスメーカーに伝えなければいけないかを考えます。

テレビ・視聴場所(例:ソファ)の位置

まず考えなければいけないのは、テレビと視聴する位置です。これによってスピーカーの位置が変わるからです。

ちなみに、間取り図とにらめっこしているとテレビの高さを考慮するのを忘れてしまいがちですがサラウンド環境を構築する場合には要注意です。センタースピーカーを設置する場合には、テレビボードとテレビの下端との間にセンタースピーカーの高さ分の隙間を確保しなければいけないため、忘れてしまうと致命傷になりかねません。

最近は壁掛けテレビ+フローティングテレビボードという組み合わせも多いですが(我が家もそうです)、設置してしまったら調整ができないため、気をつけましょう。

テレビの高さ

テレビの最適な高さに関しては、いくつか考え方があるようです。よく見かけるのは「TV中心が床から110cm」というもので、新居のテレビの位置もだいたいそのくらいになっています(この数字を根拠に決めたわけではないです)。ただ、テレビのインチ数や視聴距離、視聴高さによって最適な高さは変わってきますので数字を鵜呑みにしない方が良いでしょう。

個人的に一番良いと思う方法は、引越し前の(現在の)テレビを基準に考えることです。

  • 今のテレビの高さは XX cm
  • 新しいテレビはインチ数が大きくなるので、同じ台に置くとてっぺんはこのくらいの位置になる…
  • さすがに肩が疲れそうだから、このくらいまで下げる…?
  • 新しいソファは今と同じくらいの高さなんだっけ…?ソファの位置は今より遠い…?

…などなど、これらの試行錯誤をすることで最も納得感ある結果が得られるはずです。

なお、ソニーストアではブラビア実寸サイズ用紙を無料で取り寄せることができます。これを壁に貼ってシミュレーションするとだいぶ雰囲気が掴めますのでおすすめです。

スピーカーの数と位置

テレビと視聴位置が決まったら次にスピーカーの数と位置を決めます。

5.1ch

基本は5.1chでしょうか。

ITU-R BS.775-1にて推奨されている位置は様々なウェブサイトに記載されています。例えば日本オーディオ協会のFAQ「スピーカーをどのように配置したらいいのでしょうか?」にあるように

  • フロントスピーカーは、テレビ中心からそれぞれ30°の位置
  • センタースピーカーはテレビ中心
  • リアスピーカーはテレビ中心からそれぞれ100°から120°の間

に設置し、距離は全てを同心円上にするのが理想とのこと。特に同心円上にするのは一般家庭では困難なので、AVアンプの補正機能を使うのが現実、とFAQに書かれています。

5.1.2ch

最近ではDolby Atmosなどの名前もよく聞きますが、こちらの基本は5.1.2chとのこと。

この最後の「.2」は、高さ方向の音を再現するスピーカーの数を示しています。このスピーカーは、天井に設置する方法や、フロントスピーカーに設置したイネーブルドスピーカーを使って天井で音を反射させる方法などがあります。

自宅はこの5.1.2chを採用しているのですが、リビングが吹き抜けということもあって天井で音を反射できないため、梁にスピーカーを取り付けています。

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AVアンプやその他AV機器の位置

ゲーム機やBlu-rayレコーダーなどと一緒にAVアンプをテレビボードに収める方法もありますが、別の場所に置いても構いません。AVアンプはそれなりに重量もあるので、特にフローティングのテレビボードでは耐荷重が足りない可能性があります。

AVアンプをHDMIでテレビと接続しておけば、テレビのリモコンで音量等を調整できるので、特に赤外線リモコンで操作しやすい位置に設置する必要はありません。

ケーブルをどのように出すか

スピーカーやAVアンプの位置が決まると、おおよそどのようにケーブルを配線するかが決まります。

壁際にスピーカーがある場合には、壁からスピーカーケーブルを出してもらうことになりますし、壁際にスピーカーを設置できない場合には床からになることもあるでしょう。もしも複数の可能性が考えられる場合には、どちらにするかをハウスメーカーに伝えます。

その他

他にも状況によって伝える内容がありますが、我が家の場合は次の施工例にてご紹介します。

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施工の流れと施工例

ここでは、我が家(ハウスメーカーはセキスイハイム)における施工の流れとその結果(施工例)をご紹介します。

要件の伝達

まずは、前節にて説明した内容をハウスメーカーの設計担当に伝えました。タイミングは最終仕様確認後すぐだったと思います。テレビの位置は壁掛けだったこともありインテリア担当と相談していたので、その位置を基準にそれぞれのスピーカーの位置を図面上にプロットしていきます。

この作業がすんなり行く場合もあれば、なんらかの制約で実現できない場合もあります。たとえばケーブルを出す場所は、桟や梁が邪魔をしてずらす必要が出てくるかもしれません。その場合には次善策を練っていくことになります。

なお、位置が決まった時点で追加でリクエストしたのは、ケーブルを直接通すのではなく、将来ケーブルを敷設し直せるようにCD管を通してほしいということでした。結果、

  • スピーカーケーブル用は22φ
  • HDMIケーブル用は28φ

となりました。HDMIケーブル向けにはもっと太いものを入れたかったのですが、業者が施工できるサイズが28φまでとのことで仕方なくこちらになりました。

ケーブル総延長の試算とケーブルの購入

上記のスピーカー・AVアンプ位置をもとに、必要なケーブル長を計算してもらいます。ケーブル長は素人が見積らない方が無難です。吹き抜けその他の構造的な理由で想定と実際のルートが大きく異なる可能性があるためです。

我が家の場合はスピーカーケーブルは70mくらい必要になるかも、ということで100mリールをサウンドハウスで購入して据付当日に現場監督に手渡しました。実際にはより短いルートがあったとのことで50mも使わなかったのですが…。まぁ他にも使い道はあるので気にしないことにします。

ちなみにスピーカーケーブルはそれまで使っていたものと同様のBELDEN 9497(通称ウミヘビ)にしました。普通にステレオで使ってる分にはそこまで長くないので気にしてなかったのですが、100mにもなるとかなり高いですね…。

HDMIケーブルは、以前も記事にしましたが、こちらの10m版です。15mまであるようです。

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オーバーヘッドスピーカーの選定

梁に取り付けるスピーカーを選定し、現場監督に渡す必要があります。「あまり目立たず大きくないものを」との家族からの要望に合うものを購入し、取り付けブラケットとともに渡しました。こちらも据付当日でした。

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スピーカーケーブルの梁・床・壁面プレートの選定

我が家は、スピーカーによってケーブルの出線位置が異なります。

  • フロントスピーカー・センタースピーカーは壁から
  • リアスピーカーは床から
  • オーバーヘッドスピーカーは梁から

壁については通常のプレート+通線チップで良いとして、床と梁の出線処理を考えなければいけません。

床に関しては、設計担当の方からこちらはどうかと提案されました。

Panasonic DUM8000MH 品番詳細ページより

ちょっと大袈裟では…?とは思ったものの、これ以外で特に良いものも思い浮かばなかったためこちらを採用しました。

こちらについては、以下の理由から標準のプレートは避けました。何も言わなければ標準のプレートになっていたかもしれません。

  • 梁に木目調の壁紙を巻き付けるため、標準のプレート(白)だと目立ってしまう
    • 梁の反対側に取り付けるスポットライトや、梁の近くに設置されるラインブラケットライトなどは全て黒だし
  • スピーカーがそこまで大きくないので、標準プレートだとスピーカーに全く隠れない

これらのことを考慮して、以下の品番のプレートをこちらで指定してつけてもらいました。

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結果、どんな感じになったか?

ケーブルの仕上がり具合は以下のようになりました。

フロントスピーカー裏

フロントスピーカーはトールボーイなので、標準のプレートでも正面からは見えません。ウミヘビが異彩を放っていますが、こちらも正面からは見えない程度にプレート裏に押し込んでいます。

リアスピーカー下

本当はリアスピーカーもトールボーイ(あるいはブックシェルフ+スタンド)にしたかったのですが、子供が小さくて倒してしまう可能性が高いため、軽いサテライトスピーカー+スタンドを暫定的に設置しています。

スタンド下の板はカインズで切ってもらったウォルナット。ケーブルを通す穴を開けてDUM8000MHの真上に置いても良さそう

スピーカースタンドは支柱の中にケーブルを通せるので、ウミヘビケーブルでも(あまり)目立ちません。

DUM8000MHのプレートが出っ張っていますが、裏返すと平らにできます。平らにした上で、穴を開けたウォルナット板にケーブルを通して直上にスタンドを設置しても良いかもしれません。今後の課題ということで…。

オーバーヘッドスピーカー

本当はもっと下を向けたいのですが、手が届かないので後回しにしています…。限界まで下を向けてと伝えたつもりだったのですが。

ソファ右端からほぼ真上を見上げた構図です(スピーカR)

トールボーイスピーカーなどと異なり、壁や天井に取り付ける場合にはブラケット(取り付け金具)がスピーカー裏に設置されます。そのため、ケーブルを出すプレートがスピーカー中心からズレる、ということにも注意が必要です。

設計担当の方には、こんな感じで、と伝えました。

だいたいあってる

ほぼ正面から見ると、このような感じです。

プレートは見えるものの、同系色なので許容レベル?(こちらはスピーカL)

AVアンプ裏

ここは魔窟です…。ここは階段下でオーディオラックの裏なのであまり目立たないのですが、もう少し整理したいところです。AVアンプをテレビボード内に設置できれば、このケーブルもボード内に収納されるので綺麗になりますね。

7本のスピーカーケーブルと1本のHDMIケーブルが集結しています
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その他気をつけること

いくつか気をつけることがありましたのでご紹介します。

電源やネットワークの確保

AVアンプ周辺にはBlu-rayレコーダーやゲーム機など、いくつかの黒物家電が集結することになります。電源が足りなくならないようにコンセントを確保しておきましょう。

AVアンプやゲーム機など、昨今の家電はネットワークに接続するものが多いので、こちらも確保が必要です。通信速度やレイテンシーにシビアな機材を導入する場合には有線LANポートを敷いた方が良いかもしれません。

対荷重の確認

テレビボードにブックシェルフスピーカーを置くことなどもあるかもしれませんが、

  • テレビ
  • AVアンプ
  • AV機器

に加えてスピーカーとなった場合、物によっては対荷重をオーバーしてしまう可能性もあります。機材選定前におおよその重量を見積もっておくと良いと思います。

ケーブル長さの遊び

スピーカーを将来交換した際、以前のスピーカーと同じ位置にケーブル端子があるとは限りません。物によっては低い位置にあったり、高い位置にあったりします。

ケーブル長をあまりに現在のスピーカーのセットアップに最適化しすぎると、スピーカー交換時に困るかもしれません。ですので、少々遊びを持たせておくことが重要です。多少余った分はCD管に押し込んでおけます。

また、ケーブルをハウスメーカーに敷設してもらう場合には、壁や床からどれだけの長さ出しておくかをあらかじめ指示しておくことも忘れずに。指示をしないと悲劇が起きないとも限りません。

HDMIケーブルの処理

HDMIケーブルの出線部分をどうするかも議論があります。こちらは詳細を記事にしていますので、ぜひご覧ください。

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まとめ

ハウスメーカーとやりとりをしてカジュアルにホームシアター(サラウンド環境)を導入する方法について紹介しました。

突き詰めればケーブルをどこに通すかを伝えるだけなのですが、引き渡し後に音と絵を出すまでは思わぬ落とし穴がなかったかと心配でした(自分で指示したので文句も言えない)。そういった意味でも、このくらいを伝えればなんとかやってもらえるよ、という情報は多少なりともお役に立てるのではないかと…。

どきどきはしたものの、インストーラーに依頼するよりは安価にできましたし、当然自分でやるより綺麗に仕上がったのでやって良かったです。ご興味ある方、ぜひトライしてみてください。

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