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たしかに美しくはないけれど

何かって,ジェイコム株のお話です.与謝野金融相曰く,誤発注と認識しながらそこから利益を得るやりくちは美しくない,と.アサヒコムの記事です.


しかし,僕自身はそこまで嫌悪感は感じないのです.他人を騙して金をかすめとる,となるとまた別なんですけどね.
そもそも,金融相のお眼鏡にかなう行動とはなんなのでしょう.みずほ(ってのが買う側が分かるかどうかは知らないけれど)に対して,「それって確実に損するよ?」と忠告するのでしょうか.それとも,これは明らかに間違いだと思って,手を出さないでおく?

ネットショッピングで値段を入力ミスした商品に注文が殺到する,という事件がありました.不思議な事に,あの時は「いやはや,えげつないなぁ」と思ったのです.
自分に取ってどこに差があるのかは分からないですが,一つは自分が株取引をそもそも生き馬の目を抜く性質の業務だと認識しているからかもしれません.誰かが得すると必ず誰かが損する,みたいな.あまりにステレオタイプでしょうか.株自体に嫌悪感はないですが,上のような出来事があっても仕方がないかな,という認識です.

まぁそれはともかく.

富士通はまたやってしまいました….最近どうも露出度が高いですね.


システムの設計もさることながら,悪いインタフェースデザインの実例がまた一つ増えたというのが個人的には興味深いです.ドナルドノーマンあたりはもうこの出来事を知っているかしら.

大量売りの場合はそれを警告するという機能がシステムに備わっていたようですが,(致命的なミスにも関わらず)それを無視してしまったという事は,如何に警告表示が常態化していたかということを示しています(これは佐藤先生の日記にも書いてありますね).そして,その警告を回避することも単純な作業でできたという事.

大量売りですよ? いいですか?    OK / キャンセル
(本当にこんなのかどうかは知らない)
こんな単純な警告が常に出ているようなら,条件反射でOKを押してしまうものです.

たとえば,もう一回フィールドに数字をいれ直させるとか,そういう動作仕様でも良いはずです.とかくエラーは起きるもんだという前提でデザインを考えるべし,というのは鉄則ですが,それを曲解してあまりに警告を頻繁に表示させても,今回のような事態になってしまいます.

当初,1円では売れないからストップ安の値段で売買成立してしまい,それに気付かないオペレータがいくら1円での取引を取り消そうとしてもうまくいかなかった,みたいな話もありましたが(どうやら後からこれは違うという事が分かりました),それにしたって,勝手にストップ安の値段に修正される(そして,オペレータがそれに気付かない)のは本当に「便利」なのかどうか….
「動作のステップ数を縮める」というのはインタフェースデザインの指標の一つではありますが,それだけで測るのは危険ですね,当たり前ですが.


ま,そんなわけで,個人的には,このオペレータに責任をかぶせるのは可哀想だと思っています.

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